《読書》スノーボール 第4章:ウォーレン、どうしたんだ? ― 1999年8月~12月 オマハとアトランタ

スノーボール文庫上

『ウォーレン・バフェット伝 スノーボール』の読書企画。今日は第4章、第1部の最後の章です。

1999年のハイテク株ブームの渦中にあっても、バフェットは揺るぎない信念で、ハイテク株に手を出すことをしませんでした。

バフェットは、この揺るぎない信念を「内なるスコアカード」という言葉で表現しています。

人がどうふるまうかを大きく左右するのは、内なるスコアカードがあるか、それとも外のスコアカードがあるかということなんだ。

「内なるスコアカード」は揺るぎない信念です。「外のスコアカード」とは、他人の意見、常識だったり世論だったり、評判だったりするのでしょう。

自分の出した結果が世界に見えないとき、世界最高の投資家だと思われているのに、実際には世界最悪の記録を残しているほうがいいか?それとも、世界最悪の投資家と思われているのに、実際には世界最高の記録を残しているほうがいいか?

「自分の信念を貫く」と、言葉で言えば簡単ですが、これを実際に行うのは、本当に難しいことであるのは、あなたも分かるかと思います。人は基本的に不安を持った生き物ですから、外からの声に左右されてしまいがちです。幾つかの根拠(らしきもの)が重なると「信じていたけれど、自分の間違った思い込みだったんじゃないか?」とすぐに揺れ動いてしまいます。ようするに、バフェットが市場に対して信念を貫き通すことができるということは、「並大抵のことじゃない」ということです。じゃあ、どうしてバフェットはこんなにも強固な信念を築くことができたのか?それを探っていくのが、こうした伝記を読む意義のひとつと言えます。

バフェットの父親は「内なるスコアカード=自分の信念」だけを貫いた人物でした。バフェットは父親に、この生き方を教わりました。バフェットの父親は徹底した一匹狼で、人にどう思われるかを気にしない人物だったのです。

この短い6ページしかない章で、第1部は終わり、次章からいよいよバフェットの幼少期からの人生が語られます。本格的に「伝記もの」がはじまります。

スノーボール目次へもどる

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です