『ウォーレン・バフェット伝 スノーボール』の読書企画。今日は第1章です。
第1章はプロローグみたいなものなので、とても短いです。
オマハにあるバフェットの自宅で、著者のアリス・シュローダーが向かい合って話す様子が描かれています。
アリスは、バフェットから伝記の執筆を依頼され、「私の話と誰かの話が食い違っているときには、格好悪いほうの話を使ってくれ」と言われます。
著者のアリスは「もっとも優れた教訓は、バフェットを観察するだけで得られる」と言っています。
教訓その1:謙遜は相手の心を捉える。と。
自分の伝記を出版するとしたら、凡人であれば(凡人は伝記を出さないでしょうが)、より自分が格好良く、偉大に見えるように書き残したいと思うのが、浅はかな人情だと思うのですが、さすがバフェットです。
バフェットについて書かれた本は山ほどありますが、この本が面白いのは、普通なら隠したくなるようなバフェットの失敗談や恥ずかしい話が、満載だからです。そこには、ひとりの人間としての「偉人バフェット」の”リアリティ”があります。
とは言っても、生前に出された”公認伝記”ですので、「格好悪いほうの話を書いてくれ」といいつつ、いろんな演出が入っている可能性は否定できませんよね。実際には「これは削ってくれ」とか「もうちょっと表現を変えよう」なんてやり取りがあった可能性はあります。コピーライティング的にいうならば、そうやってあらかじめ担保を取っておくことで、これからはじまるストーリーの信憑性を高める効果もありますね。
しかもバフェット自らが書いてる訳じゃないということで、「ウィンザー効果(※1)」や「マイ・フレンド・ジョン(※2)」といったコピーライティング・テクニックも思い出されます。
※1 ウィンザー効果
直接言われるより、第三者から間接的に言われた方が信頼性や信憑性が高まる効果
※2 マイ・フレンド・ジョン
「友達のジョンが言ってたんだけど~」みたい、第三者の表現に変えるテクニック
第1章はあまりにも短いので、ちょっと脱線してみました(笑)
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